コラム

2018.10.01

連載コラムvol.04「家賃滞納とその対処法②」

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家賃滞納とその対処法②

前回は家賃滞納が発覚してから契約解除までの流れを説明しました。

今回はその続きとして契約解除から強制退去までの流れを説明します。

契約が解除されるといよいよ明け渡し請求訴訟の提起を行うことになります。

同時に滞納家賃の請求も行います。

法的拘束力のある和解が成立しないと裁判所が判決を下します。
判決が確定すると強制執行の申し立てを行います。

そして執行官との打ち合わせ、催告期間を経過ののち、強制執行の断行日を迎えます。ここまでで半年から1年程度の期間を要します。

 

強制退去の現場

3年位前に私が立ち会った強制退去の現場です。

大阪市内のマンションの一室でした。

保証会社の担当者と執行官、明渡業者と大家さんの代理の私で現地集合。

明渡業者が手際よく作業を始めました。

すでに入居者は失踪していて、当然ですが、室内には誰もいません。

しかし、荷物は沢山というかほとんどそのままの状態で残されていました。

何時間かかるんだろうと憂鬱になりながら作業を見守ります。

明渡業者は3名だったと記憶していますが、さすがプロです。

あれよあれよという前に荷物を搬出していきます。

私は写真を撮影しながら撤去後のリフォームにかかる見積もりをしていました。

ある程度荷物を運び出すと、次に設備の確認が始まります。

冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど誰のものか質問されます。

もともと備え付けの設備は大家さんのものですので撤去はしません。

しかし、今回はそれらの設備が大家さんの記憶にあるものと一致しなかったため、入居者のものとして撤去がされました。

執行官は車で携帯をいじりながら時間をつぶしていましたが、作業が終わるとそそくさと帰っていきました。

このあと荷物は保証会社の倉庫に一定期間保管され、換金できるものは売却され、そうでないものは処分されます。

 

強制退去までの費用は?

強制退去までにどれくらいの費用がかかるかというと例えば、賃料5万円程度のワンルームを例にとると、弁護士に依頼したとして、総額で50万円~100万円くらいかかります。

もちろん、これらの費用は賃借人に請求することは理屈として可能ですが、まず回収はできないでしょう。

それどころか滞納した家賃も回収できないでしょうから、追いかけても残念ながら時間の無駄に終わると思います。

また、強制退去までの期間は半年から1年程度の期間を要します。

そう考えると、明渡訴訟を提起する前に(手続き中でも)、滞納家賃は払わなくてもいいから、いついつまでに退去してくれないか?という相談をして和解するほうが結果的には出費が抑えられますし、時間の節約にもなります。

また、賃貸借契約時に滞納保証会社に加入すれば、強制退去手続きや費用負担も保証会社がすべて引き受けてくれます。

もちろん、退去が完了するまでに期間の家賃も保証されます。保証会社には必ず加入してもらうようにしましょう。

先日、ある保証会社の担当者さんにお聞きしたところ、担当者一人で約200件の滞納案件を持っているそうです。

それを聞けば、滞納が決して他人事でないことがわかるのではないでしょうか?

 

保証内容の違い

話は変わりますが、保証会社によっても保証内容に違いがありますので、保証会社のプランも比較検討したほうがよいでしょう。

最近では保証会社間の競争も激しく、新しい商品もリリースされてきますので、常に情報収集に努めましょう。

また、私たち管理会社は保証会社にプランを提案したり、独自のオプションを結んでいるので、特に本業がある大家さんは、賃貸管理会社に委託するほうが結果的に時間とお金を節約できると思います。

 

記事を書いた人/編集後記

古江 慎二
司法書士。2級建築士。宅地建物取引士。本業は司法書士でありながら、複数の資格を併せ持つ。不動産、商業登記、相続、遺言、成年後見と守備範囲は広い。元セールスマンならではの人当たりの良さとわかりやすい説明が人気。

【ふるえ司法書士事務所】
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