コラム

2018.12.01

連載コラムvol.06「マンションの管理費と修繕積立金」

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マンションの管理費と修繕積立金

マンションを所有すると、毎月管理費、修繕積立金を支払わなければなりません。

マンションを購入する際には毎月の管理費、修繕積立金は必要経費として収支計算をする上で欠かせない要素になっています。

 

毎月自動的に引き落とされている管理費、修繕積立金は実際にはどのような用途で使われているのでしょうか。

今月は管理費、修繕積立金のそれぞれの用途について説明します。

 

管理費と修繕積立金の違い

管理費と修繕積立金の違いは、使用する目的が短期(日常)的なものと長期的なものかの違いと考えるとわかりやすくなります。

管理費を毎月の支払いとするのであれば、修繕積立金は毎月の貯金になります。

 

管理費

管理費はマンションの共用部分(エントランスホール、駐車場、エレベーターなど)の管理、メンテナンスに使用されます。

管理費はマンションの共用部分のものであり、各住戸(専有部分)に使うものでありません。

共用部分の日常的な清掃業務や軽微な損傷等の補修費、火災保険料、水道光熱費、管理会社の業務委託費などに使われます。

夜遅く帰っても、エントランスが明るく、当たり前のようにエレベーターが動くのは、管理費から電気料金やメンテナンス費が支払われているおかげです。

管理費というと、何となく管理会社への支払いをイメージしがちですが、管理費とはマンションの所有者が管理組合に支払うもの、そして管理費の中から管理会社に支払っているものを管理委託費と言います。

管理費は安ければいいというものではありませんが、同時に高ければ安心というものでありません。

管理費を削減するには、電気を一括受電に変更したり、保険料の削減のために契約内容や期間を見直すなど、いろいろな手段はありますが、よく言われるのが、管理委託費が割高に設定されているマンションが多いということです。

管理費が割高に設定されている理由は、マンション分譲時には分譲会社系列の会社または関係会社が管理委託費を設定するからです。

管理組合が管理会社を選ぶ仕組みがないので、サービスや価格などによる競争がありません。

管理委託費の中に必要でない管理項目があったり、過剰スペックの管理仕様になっていないか確認する必要があります。

 

修繕積立金

修繕積立金は、敷地や共用部分などの定期的・計画的な修繕、大規模修繕工事、不測の事故やその他に特別な事由によって発生する修繕などに充てるため、管理組合の積立金としてためておくお金です。

また、修繕積立金は、マンションのグレードアップのために使われることもあります。

たとえば、エントランスホールを手動ドアから自動ドア、オートロックに変更したり、宅配ボックスの設置、屋上太陽光発電機の設置などさまざまです。

修繕積立金は建物が老朽化すると、修繕箇所が増えていくため、月々の支払額が上がっていく傾向かあると言われています。

修繕積立金の問題点は、管理費が割高に設定されているのに比べ、修繕積立金は安く設定されていることです。

管理費を割高に設定しているので、修繕積立金を適正価格にしてしまうと月々のランニングコストが高くなってしまいます。

これでは新築マンションが売れません。

そのため、高く設定される管理費とは逆に、修繕積立金は低く設定されるのです。

実際に新築の分譲マンションで修繕積立金が管理費より高く設定されている物件はまずないと思います。

その結果、修繕積立金は工事時期を迎えても不足しているので、修繕積立金の値上げをしなければならなくなります。

 

修繕積立金の不足

この修繕積立金の不足はすでに社会問題になっていて、日本経済新聞の調査によると全国の75%のマンションの修繕積立金が不足している状態になっているようです。

 

この問題を解決するには単純に修繕積立金を値上げするということだけではなく、さきほど、管理費は支払い、修繕積立金は貯金と言いましたが、支払いである管理費は削減する努力を行い、貯金である修繕積立金を増やす工夫をしなければなりません。

記事を書いた人/編集後記

古江 慎二
司法書士。2級建築士。宅地建物取引士。本業は司法書士でありながら、複数の資格を併せ持つ。不動産、商業登記、相続、遺言、成年後見と守備範囲は広い。元セールスマンならではの人当たりの良さとわかりやすい説明が人気。

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